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たけくらべ
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「映画って何見たの?服ってどこのブランドの?よく分かんない店ってなに?どこの?どんな店?何食べたの?旨かった?」
「一気に質問すんな!あー、ったく……だりぃ」
本当にだるそうに額に手を当てて顔を俯かせる。
ああ、どうしよう、またウザかられてしまった。
こういうのが嫌われる要因だってわかってるのに止められない。
「ごめん、でもだって気になるし。タツの好きなものとか、趣味とか」
慌てて謝るものの、やっぱ俺の気持ちも理解してほしくてそう言い訳する。
「気にしてどうすんだよ」
「仲良くなる!」
「…馬鹿じゃね」
馬鹿と言われてしまった。ちょうど電車が来て、タツがそれに乗る。
もう1本後でも充分学校に間に合うが、まだタツと喋っていたい。
タツとはなかなか会えないから。
正月なんかはタツも俺の家に顔を見せに来るけど、それ以外は殆どと言っていいほど会いにこない。
ヨシはこの前みたいにたまにタツと遊んでるけど、俺はタツの連絡先すら知らないのだ。
俺はタツに続くように当たり前にその電車に乗った。
「乗るのかよ…」
「いいじゃん別に」
通勤ラッシュでそこそこ人が多くてタツとの距離が近い。
俺はドアに背中を預けて、タツを見上げる。近いと更にタツの身長のデカさがわかる。
179センチの俺が見上げるくらい、タツはデカい。
「タツまた身長伸びた?ほんっとデカいな。いま身長どのくらい?」
吊革に腕を通して体重を掛けながらスマホを弄っていたタツは顔を上げて面倒そうに俺に視線をやる。
「あー……この前学校で測ったときは189あったわ」
と、面倒くさそうにしながらも応えてくれた。
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