アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
急接近といい匂い
-
タツは男前だし、身長も高いってなると女にモテるだろう。
タツは普通の高校生より大人びてるし、無駄なことをペラペラしゃべらない所が男らしくて絶対女子に好かれるタイプだ。
「いいなあ。そのうち2メートルいくよ絶対」
「外人じゃねぇのにおかしいだろ」
「でも絶対まだ伸びるって」
「どうだろうな」
タツは適当にあしらってスマホ画面に視線を戻す。
丁度その時大きく電車が揺れた。
電車がカーブを曲がったんだろう。満員電車だからか、何時もの倍揺れた。
「わっ……ぶっ」
身体がぐらついて、そのまま勢いよくタツに倒れ込んでしまう。
ふわりと甘いようないい匂いがして、瞬間タツの鎖骨あたりに鼻をぶつけてしまった。
鼻筋がひりひりと痛む。
が、そんなことよりも絶対文句をいわれると思って、背筋がひやりとする。
「ごめっ…」
慌てて謝ろうと顔を上げると、やたらと近いタツの顔。
近距離でみる目鼻立ちの整った綺麗な顔に息が止まりそうになった。
「平気か?いま絶対鼻打っただろ」
そう言って心配そうに顔を覗き込むタツ。
まさか心配されるとは思ってなくて、嬉しさと驚きが交ざって心臓が変にどきどきする。
「だ、大丈夫。割と大したことないから」
鼻はヒリヒリと痛むけど、鼻血が出るわけでもないし、直ぐに痛みも収まるだろう。
「あそ。ならいいけど」
俺が平気だと分かるも、途端に素っ気ない態度に戻って、また視線をスマホに戻す。
なんかちょっと寂しくなる。
もっと心配して欲しかったなあ、なんて。
「タツめっちゃいい匂いすんね」
「きめぇこと言うな」
思ったことをそのまま口にしたら、めちゃくちゃ引かれた。
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
6 / 40