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嬉しすぎて死ぬ
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ドアが開いてもじっとタカを見てると、
「降りねぇの」
と言われてしまった。
ここで降りなきゃいけないってバレてたか。たぶん隣で同じ制服の子が降りていったからそれでだろう。
「えっ、でもさっきの続きが……うわっ」
聞きたいのに。言い終わる前にドンッと肩を押されてふらつき、俺は強制的にホームに降ろされてしまう。
「いいからさっさと学校行ってこい」
冷たい言葉を掛けられてまた寂しくなる。
そんなに俺のこと追い払いたいくらい、嫌いなのか。
ショックで俯いてたら、ふわりと頭に温もりを感じた。
え。なにこれ。
ビックリして顔を上げると、やっぱりそうだ。
頭、撫でられてる。
ゴツゴツと骨ばった手が、くしゃくしゃと俺の髪を撫でる。
「学校、頑張れよ」
無表情ながら、どことなく優しげな声色でそう言って、電車のドアが閉まる合図がしたらそっと手が離れていった。
俺は無意識にその手の指を目で追う。
嬉しすぎて、死ぬかと思った。
俺は電車がホームを出てタツが見えなくなるまで暫くそこから動けなかった。
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