アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
ふわふわとチョーク
-
タツは何を言おうとしたんだろう。それを真剣に考えていても、どうしても頭を撫でられたとこに思考がいってしまう。
タツに頭を撫でられた時の衝撃と嬉しさと骨ばった手の感覚がまだ残っていて頭がふわふわする。
「おい!陣内(じんない)!聞いてんのか!」
「あ?」
「てめチョーク投げっぞコラ」
突然名前を呼ばれて現実に引き戻され、ふわふわ気分が強制的に中断されたので、無意識に機嫌の悪い声が出てしまった。
担任の小池にドスの効いた低い声でそう言われたうえに、鋭い目でめちゃくちゃ睨まれてる。
やば、いま小池の数学の授業真っ只中じゃん。
小池は切れるとマジで怖い。キレてなくても口悪いし目つき悪いしで元々怖いからキレると怖さ10倍だ。
てか耳にピアスの跡やばいしこの人絶対元ヤンだろ。
「や、さっきのは違くて!あ、聞いてます!はい!」
「じゃあ当てた問題さっさと答えろ」
さっさと授業を勧めたいのだろう。
投げやりにそう言った。
「あー、その前に一つ質問良いですか?」
「なんだ?」
「どの問題ですか?」
「聞いてねぇじゃねぇか!!」
怒号と共にチョークが飛んだ。
まさか本当に投げてくるとは思ってなくて、咄嗟に避けるとチョークが窓にあたって砕け散る。
避け無かったら完全おデコに直撃してただろう。
こ、こいつ、プロだ。
焦る俺に対して、クラスメイト達は皆手を叩いて爆笑してる。
人事だと思いやがってこいつら。
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
9 / 40