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俺と幸平とチョコ
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「さっきの小池のチョーク投げやばかったな。まじプロかったわ」
そう言って俺の前の席に座る親友、羽鳥幸平(はとり ゆきひら)。
そこは幸平の席じゃないけど昼休みだからそこの席のヤツが食堂に行ってて居ないので勝手に座ってる。
リュックにゴソゴソと手を突っ込んで、弁当を取り出すのかと思ったらチョコレートだった。
「ご飯の前にチョコ食べると食欲落ちるらしいよ」
「だからダイエットに最適な訳です」
「女子かよ」
幸平は別にダイエットとかしなくていいと思う。ってかサッカー部のエースだし。普通より身体は引き締まってるほうだと思う。
「だって最近お腹に肉付いてきたんだもん」
そう言ってシャツを捲って腹を見せてくる。
いや、腹筋綺麗に割れてますけど。嫌味か。
「はいはいデブですねー」
「マジで気にしてんだって!」
幸平のデブの基準が分からない。
幸平がデブなら俺どうなんの。
「幸平がデブなら俺クソデブじゃん。ふざけんな」
「厳哉(みねちか)はヒョロ系だからいいんだよ」
確かに身長の割には体重軽い方だけど一応筋肉あるからな。ヒョロいって言われる程じゃないはず。いや絶対。
「なんだよヒョロ系って!俺だってちゃんと筋肉あるわ!確かに幸平ほどしっかりした身体じゃねーけど!」
「チョコあげる」
「あ、ありがと」
「ぷはっ!貰うんだ!」
怒ってた途中でチョコを差し出されて素直に受け取ると、幸平に腹抱えて笑われた。
ムカムカして話題を幸平に向ける。
「ってか何でそんな気にしてんの?彼女にデブとか心無いことでも言われた?」
「いいや。誰にもなんも。ってか彼女居ねえし」
「は?ちょっと待て。この前彼女出来たってはしゃいでたの誰」
「一週間前に別れた」
「え、マジか。振られた?」
一ヶ月前に彼女出来たってはしゃいでた幸平を思い出す。あんな喜んでた幸平が振った筈ない。
「んーや。振った」
「え、何で」
意外すぎてずけずけと聞いてしまう。幸平は俺が鬱陶しいくらいに聞いても全く怒らないし、むしろそういう性格が好きだっていってくれる実は超いい奴だ。
「なんか思ってたのとは違ったってゆうか。あ、女の子じゃなくて恋愛自体のほうな。今はやっぱ友達とつるんでるほうが楽しいんだよ。俺にはそっちのが合ってるんだと思うわ」
「幸平よく言った」
幸平の髪に手を伸ばしてわしゃわしゃと撫でる。幸平が彼女と過ごすことが多くなって、俺と遊んでくれる回数が減ったから実のところ寂しかったのだ。だからその言葉に歓喜あまった。
「あはは。褒められた」
ヘラりと笑う幸平はなんか可愛い。犬っぽい顔だから大型犬を手懐けてるみたいな感覚になる。
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