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ふわふわリターン
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「近距離でチョコ投げられたら割と結構なダメージ来るから」
「はいはい」
放課後になってもまだ根に持っている幸平を軽くあしらう。
昇降口で上履きから靴に履き替えて外に出る。春と夏の間の暖かい風が幸平と俺の隙間を通り抜けた。
「はー、ずっとこの季節だといいのに」
幸平が手を組んでググ、と伸ばす。
これからだんだんとあの蒸し暑い夏が近づいて来ると思うと気分が落ちる。
幸平はサッカー部でずっと外だから俺の倍そう思ってんだろう。
「マジそれなー」
と、幸平に同調する。
グランド横に建ってる部室の前まで来て幸平がじゃ、と手を挙げた。
幸平は今から部活。俺は帰宅部だからここでバイバイだ。
「部活いってくるわ」
「おお、ファイトいっぱつ!」
そう言ってグーで幸平の胸らへんを小突く。
「あはは、パワー貰った。ありがと」
またあの可愛いタレ目で笑ってから、部室へ入っていった。
一人になるとまたタツの顔を思い出す。
そしてふわふわがぶり返す。
俺マジで今日一日病的にタツのことしか考えてない。
これヤバイよな。
でもやっぱ気になる。だってあの話の続きめっちゃ気になるし。タツの俺の嫌いなところが何なのか知りたい。
教えてくれたら必死こいて治す。絶対治す。それでタツが俺のこと認めてくれるなら俺は何だってやれる。
はあ、俺ってなんて健気なの、とか自分で思いながら電車に乗る。帰りは乗り換えないと行けないから、乗り換えのホームで降りた。
「あっ」
そしたらいた。タツだ。横顔が見えて、駆け寄りたい気持ちになるけど丁度電車が来てしまう。
すぐにホームを出るやつだからさっさと乗らないといけない。タツも多分同じ電車に乗るはず。
俺はとりあえず目の前で止まった扉から電車に飛び乗った。
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