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事情聴取
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「……え、と、これは、悪気があったとかではなくてですね、」
なんて、言えばいいんだろう。
タツの声は寝起きで掠れてて、怒ってるのか、それとも引いてるのか、感情が読みずらい。
「ミネ」
掠れた低い声で名前を呼ばれて、ゾクリとした。
だって、なんかエロい。
タツの唇に触れたままの手を取られて、慌てて手を引っ込めようとするけど、それを許さないように強く握られて失敗に終わる。
タツの手のひらの体温が、じんわりと俺の手に移った。
「は、い」
心臓は暴れまくりだし息は苦しいしで、そう返事をするのが精一杯だった。
「何してた」
綺麗な目にじっと見つめられて、心臓がどんどん縮んで小さくなってく。こんな状態で嘘なんかつけるはずもなく。
「………タツの顔に無断で触ってました、ごめんなさい」
バカ正直に自首する俺。
「なんで」
「え」
なんでと言われても、それは。
「さ、わりたくて?」
やばい俺変態確定だ。
「…なんで?」
なんかこれ何時もと立場が逆転してませんか。
タツにじっと見つめられて、どんどん身体に熱が篭ってく。多分いま俺顔真っ赤だわ。めちゃくちゃ恥ずかしい。
なんで?ってそれは、触りたいから。
なら、なんで俺はタツに触りたいって思うんだろう。
寝てるタツが可愛いって思った。
それはたぶん、タツが愛しいからで。
愛おしいから触れたくなる。
つまり、それは。
「……兄弟だから?」
「はぁ?」
タツは気の抜けたような声を上げてから、目を隠すように額に手を当てて盛大にため息をつく。
あ、これ何時ものパターンだ。
どうやら俺はまたタツに呆れられてしまったらしい。
「ったく……なんなんだよ!」
タツが半分叫ぶように言った。
そんなタツの様子に冷や冷やする。どうしよう、タツを怒らせてしまった。
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