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ぶり返す鬱
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超上機嫌でタツにもっかい手を伸ばそうとする、けど重大な事を思い出して、そのまま固まった。
約束から1週間もあいだを開けたことと、電車で会えなくなったこと、それに聞きそびれた俺を嫌う理由。
一気に思い出して、ガクンと気分が落ちる。
「…どうした?」
タツが急に動かなくなった俺に気づいて、首を傾げて顔を覗き込んでくる。
舞い上がってて、重大な事を忘れてた。
家に来たのは嫌々だったりして。てかその可能性のが高くね?
いや、もうそうとしか言いようがないでしょ。
「やっぱタツ、俺のこと避けてるよな。や、自分がウザいって事は分かってんだけど、避けられるのはちょっと、酷って、いうか……耐えられない、って、いうか」
自分で言ってて辛くなる。
分かってんだよ。ウザかられてんのも嫌われてんのも。
でも避けられて存在無視されるのだけは嫌だ。
タツにそんな事されたら俺は耐えられない。
今だってこんな泣きそうになってんのに。
これ以上避けられたら、俺どうなるんだろう。
なんで俺、こんなにも弱くなっちゃってんの。
絶対引かれてるだろうな。
こんなんで泣くような弱っちくてなよい性格の男って自分でも引くもん。
タツは絶対そういうタイプ嫌いだし。
「は?待て、待てって、今度はなんだよ」
ほら、確実引かれてんじゃん。
最悪だわ。もういっそこのまま消えたい。
「ごめん、キモイこと言って。ってか寝てるとこ邪魔してごめん。俺リビング戻るわ、じゃ…」
これ以上ここに居られなくなって、立ち上がり出てこうとしたらタツが焦ったように立ち上がって俺の手首を掴んだ。
扉の前に立ち阻まれて、手首まで掴まれたら振り払う事なんて到底出来なくて動けなくる。こんなの卑怯だ。
手首掴まれて喜んでる俺ってマジ何なの。そりゃキモがられるわ。
「おい、待てつってんだろアホ。お前の頭の中マジでどうなってんだよ…」
「っ…キモくてごめんって謝ったじゃん、もうそれ以上なんも言わないで…」
心臓が踏み潰されるような苦しさに、息が詰まる。
苦しすぎて、もうこのまま消えてしまいたかった。
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