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チョロ松が就職する話 ⑨
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――――朝――――
そよそよと開けた窓から風が通り、涼し気な朝。
「んん、ふんっ!おっと、ブラザー達を起こしてしま‥‥‥‥」
キョロキョロと見回すカラ松がおかしくてしょうがなかった。
「カラ松、ここは僕の家だよ(笑)寝ぼけてる?」
思わず笑っちゃったケド。
「そうだったな。チョロ松は早起きだな。」
「もう朝早く起きるのが癖になっちゃったよ(笑)」
今ではアラーム無しで起きられるまでになったよ。
「それでちゃんと寝てるのか?」
「寝てるよ?そんなに心配しなくても大丈夫だから。」
「う~ん‥‥」
「ね?」
「チョロ松がそこまで言うなら‥‥‥‥‥‥」
テーブルにご飯とお味噌汁を並べながら
「さ!ご飯食べよ。」
「おう!」
うん、カラ松はその笑顔がとても似合う。
2人で手を合わせ、小さいテーブルながらも今迄の食卓と比べると広くて落ち着かない。
「なんだか、すまない。」
「え?何が?」
「朝ご飯まで食べて行く予定では無かったんだが‥‥‥‥結果的に食べてしまって。」
「朝ご飯位どうって事無いよ。」
「でも、今月キツイんじゃ‥‥‥‥‥‥」
「まぁこんなもんだと思うんだよね。生活なんて。」
「それじゃ、今日は俺の奢りで買い物に出掛けないか?」
「カラ松、仕事してるの?!」
正直、一番就職しそうなのカラ松だと思うんだよね。
「いや、ヘソクリだ(笑)チョロ松の足しになる位はあるぞ!」
ヘソクリか(笑)
「カラ松のお金は僕より自分に使いなよ。」
「手助けはダメか?」
「ダメじゃないケド、カラ松のお金減っちゃうよ?」
ホントはイタベルトとかイタTとかイタズボンとか買う気だったんじゃないの?
「形あるものいつかは壊れてしまうんだ。お金だって使ったら消えてしまう。有る時に、使いたい時に使わないでいつ使うんだ。」
「カラ松そんな事考えてたんだ。ちょっと意外だな。」
「な!買い物行こうぜ!!」
「しょーがない、カラ松がそこまで言うなら買い物に行こうか。」
こっちが折れないと強引だからなぁ(笑)
「ホントか?!荷物ちゃんと持つからな!!」
「半分こして持とうよ。」
「そうと決まれば早く行こう!!」
「もう、そんなに慌てるなよ。スーパーは逃げないぞ(笑)」
「家の事手伝うから早く行くぞ!!!」
何時までも子供みたいなカラ松を見てると親になった様な感じがする。
僕が洗い物をしているとカラ松はさっき回した洗濯物をもう干し終えて掃除機や、空気の入れ替えなどをしてくれる。
「洗濯物したし、掃除機も掛けた、テーブル拭いたし、洗い物片付けたし、ほか何かやる事あるか?」
カラ松が指折り数えていくのが可愛らしい。
「カラ松が大体の事してくれたから後は帰ってきてからしか無いね。じゃ出掛けようか。」
「おう!!」
――――支度中――――
僕よりも速く着替えて靴を履いて今にも外に出ようとしているカラ松に催促されながら玄関へと向かう。
「出ていいか?」
「うん、良いよ。あ、ちょっと靴ひも結ぶから先出てて。」
両方の靴ひもが解けてしまっていて、結ばなきゃどうにもならない。
片方の靴ひもを結び終え、もう片方の靴ひもを結ぼうとひもに手を掛けたその時
「ぇ?わ!!じゅ、十四松?!」
突然のカラ松の声にびっくりして、ひもを結ぶ前に外へ飛び出す。
「カラ松兄さん!!!!チョロ松兄さん!!!!」
「ど、どうして十四松が?」
いきなりで驚きが隠せない。
「俺だけじゃないよ!!!皆居るよ!!!」
後ろを見るとゾロゾロと階段を上り、扉の前でたむろっていた。
「よぉ。」
「久しぶり。此処に居ると邪魔になるから取り敢えず中、入って。」
僕は真っ直ぐおそ松兄さんの顔が見れなかった。
昔から変わらないあの眼差しで見透かす様に僕の心が見えたらって思うととても怖い。
だから、目を逸らさずにはいられない。
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