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☆ホワイトデー☆ 18~愁&咲~
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愁はその手を握り返し、そっと自分の口元に運ぶ。
いとおしそうに、咲の手のひらに軽くキスをした。
「明日は卒業式で結構時間が長いけど、大丈夫?」
「大丈夫だよ!だって僕の王子様が、隣にいてくれるんだから」
照れながら、咲ははっきりと言った。
「愁を支えるのも、僕の仕事だから…愁も無理しちゃー駄目だよ?」
「…はい」
そう言うと、お互いが微笑みあう。
「じゃあ頑張ったらご褒美、くれる?」
何気無しに言うと、咲が『うーん』と悩んだ。
「デートでもいいし…」
そんな難しい事を要求していないと、愁は言いたかったが咲は悩んでいる。
「愁は全然、我儘言ってくれないよね」
「うん?」
「デートは、いつもしてるよ?」
確かに、放課後デートだったり休日デートだったり2人で出かけることはある。
「誰だって好きな人の我儘聞きたいんだよ。愁だってそうでしょ?」
「うん、そうだね」
その『好きな人』が自分のことだったら良いなと、愁は思っていた。
「じゃあ『咲の我儘を聞きたい』が、俺のご褒美ってことで」
「ぅ…、それはズルいよ!愁」
咲は笑いながら、愁に怒る。
実際、咲は怒っていないのだが頬を膨らませていた。
(可愛い)
そんな咲が、いとおしくて可愛くて…好きなのだ。
ふふっと嬉しそうに笑う愁に、咲もつられて笑う。
幸せだな、と思いながら2人の部屋に戻ったのだった。
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