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天と言い争い 4
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お気楽な声が聞こえた。
「ここに、いたんですね~!探しました♪」
声の方を振り返る。
「大ちゃん!」
咲は安堵の表情を見せた。
「いや~部活が、楽しくて楽しくて」
なに食わぬ顔で、テーブルに近寄ってきた。
「今日のA定食とC定食ですか?美味しそうですね!!」
2人の定食を交互に見て言った。
「じゃあ、松子さん!俺B定食で!!そうしたら全制覇出来ますよね♪」
大声で厨房に注文を言う。
意外に、悠長な事も言っている。
「…なんだ~?てめえ」
絡んできた1人が、大弛に近寄る。
が、大弛の方が身長があるので、見下ろす感じになる。
顔を近づけて言う。
「…先輩、絶対あげませんよ?」
大弛は、見た事のない真剣な顔と、聞いた事の無い低い声で言った。
「っ!」
威嚇を込めて言った言葉に、上級生は天が睨んだ時よりも怯んだ。
「定食」
そう言った瞬間、顔を離し笑顔を見せた。
「~っ!いらねーよ!」
「待てよ!!」
1人が立ち去ると、もう1人が後を追って行った。
「大ちゃん、ありがとう!」
咲はお礼を言った。
「いえいえ。ところで、何ともないですよね」
「うんっ」
咲が天を見た。
天はそのまま、大弛を睨んでいる。
「…助けてなんて言ってない」
「はい!助けてません」
「うるさい!!」
天は怒りに任せて大弛を蹴った。
天は大弛に対して、ひどい仕打ちをする。
「天ちゃん!!」
だが、大弛に止められた。
「いいんです、咲さん。俺の定食も出来たみたいだし、ほら定食冷めますよ」
「…」
天は、ふんっと鼻を鳴らして定食を残したまま行ってしまった。
「ごめんね!大ちゃん」
「咲さん。ここの飯は、やっぱ美味しいですね!取りに行ってくるので待ってて下さい。あ、天さんの残したのも食べますから」
大弛が気にしていない素振りをしてくれた事が、今の咲には嬉しかった。
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