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4日目 1
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天とは気まずいまま、1日が過ぎてしまった。
(…やっぱり謝ろう。今のままじゃ駄目だ)
そうは思ったが、今日も天はどこかの部活の先輩に迫られていた。
「高城君!ぜひ、ウチのサッカー部に!」
「何を言っている!高城天と言ったら剣道で知らない奴は、いないんだぞ?!」
「いやいや、新たに伝説を作る為に水泳部に入って欲しい!」
天は声を張り上げて言った。
「昨日も言いましたが、部活は入りません!!」
(先輩達がいつでも沸いて出過ぎて、部活がしたいなんて思えなくなるっ!)
天の声も虚しく、誰一人聞いていない。
そして、また追いかけられていた。
天は、ほぼ運動部活動の全部の部長に迫られ、どうすることも出来ずに廊下を走り出した。
「「「「待ってくれ~!高城天!!」」」」
色々な太い声がこだまして、バタバタとうるさく天を追いかけて行った。
(行っちゃった…)
あまりの光景に、手も足も出ない。
まして、おっとりした性格の咲には天と先輩達の間を、割って入る事さえも出来ない。
咲は諦めて生徒会の手伝いを終えてから、天に謝りに行くことにした。
咲は生徒会室に行くため、廊下を歩く。
部活時間なので、生徒に会う事もなく階段を登ろうとした。
すると突然、後ろから声をかけられた。
「姫~、手伝って欲しい事があるんだけどさぁ」
よく見ると昨日、食堂で絡んできた上級生達だった。
「すみません…姫、ではないです」
(あくまで、『姫候補』なんだけど…)
だが、聞く耳を持っていないので相手は、お互いの顔を見合わせながらニヤニヤしている。
「またまた~」
「姫を断る理由はないと思うよ?」
(断る理由はない…)
確かに無い。
(でも…僕は迷っている)
何も言わずにいると、1人が言った。
「俺達さぁ、とにかく困ってるんだよね~助けてよ!」
「そう、こっちこっち」
咲は腕を引っ張られる。
「あ、あの!」
「助けてくれたら、すぐに離してあげるよ」
抵抗しても華奢な咲には手を離すことも出来ずに、ただ引っ張られながら歩くしかなかった…。
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