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5日目 3
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颯人は仮縫いをするのに、準備をした。
「…颯人先輩の作った服は、販売しているのですよね?」
涙を手の甲で拭きながら、咲は聞いた。
「…今度、展示会かファッションショーをしようと思っている」
「えっ!!すごいですね!!」
颯人はその無口な性格とは裏腹に、行動力があるようだ。
(颯人先輩は、好きなことに一途なんだね)
颯人のように咲も、自分の自信に繋がる事をしたいと思った。
「咲、目線を下げないで」
颯人は黙々と作業をしている。
「ごめんなさい!」
咲は目線を上げた。
「…展示会やファッションショーをするとしたら場所は何とかなりそうなんだけど、服を来てくれる人が少し足りないんだ。茉莉の兄弟にも声をかけてもプラス4人だし」
「4人?」
聞き間違えだろうか?
「茉莉が長男で、下に女、男、男、女で5人兄弟だから」
(5人兄弟!)
「5人兄弟っていいなー。僕は兄弟がいないから羨ましいです」
「兄弟が皆、あんな感じの顔だから映えるし良いかなって。で、もしファッションショーになるって決まったら、咲にも出て欲しい」
「ぼ、僕が?!」
「咲のサイズは咲しか着れないから。人数足りないから、愁にも出てもらうし」
確かにそうだ。
こんなにキッチリ測られているから颯人が作る服は、その人しか着れないだろう。
それに、愁が一緒に出てくれると聞いただけで嬉しい。
「わかりました!」
断る理由なんて無かったし、何より颯人の作った服を着れるのが楽しみだった。
それにしても今は春先なのに、颯人が縫ってくれているのはハイネック&ノースリーブだ。
(季節感…は無いのかな?)
その割りに、何だか足下がスースーする…。
ズボンを履いているから、あまり気にはならない。
けど…
(スカートでレースが施されていたような…?)
咲は小さい頃から、女の子の格好をしていた時もあった。
母親の趣味もあったし、何より咲は病気がちで病気に強くするためという昔からの風習の理由で着ていた。
スカートとか、レースとかは全く抵抗はない。
スカートを着て、女の子と勘違いされて誘拐されそうになった事もあった。
「よし、これで後は本縫いするだけだ。ありがとう」
颯人は満足をしていた。
「出来上がるの、楽しみにしてますね」
服を破かない様に、咲はそっと脱いだ。
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