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6日目 3
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適した温度のアイマスクタオルで咲は、うとうとと軽く寝ていた。
遠くで、颯人と天の声が聞こえた。
(天ちゃんと…何を話しているんだろ?)
安心して、居眠りをしてしまったようだ。
目を開けるが、視界がない。
(…あ、蒸しタオルを置いているから)
「颯…人先輩」
「ん?」
颯人の声が顔の上でする。
(そ、そういえば僕…颯人先輩の膝の上で!)
「ごめんなさい!僕、眠ってしまいました」
目のタオルを取った。
少し眩しかったが、目が軽くなった。
「いいよ」
颯人は咲の頭を撫でた。
咲はゆっくりと起き上がった。
「目の腫れ、引いた」
颯人が咲の目の周りを見て言う。
(僕は、そんなに酷い顔をしていたんだ…)
と、思っていたら視界に天が見えた。
「て、天ちゃん!」
そういえば、声がしていた。
(一体、いつから居たの?)
颯人に膝枕をしてもらっていたのは、バッチリ見られていたようだ。
「…咲、ごめん!」
天が謝った。
「僕もごめんなさい!」
咲も謝った。
「僕が頼りないから、天ちゃんが僕の事を一生懸命に考えてくれているけど、天ちゃんと絶交は嫌だ」
「…俺も、自分の考えを咲に押しつけ過ぎていた。絶交は取り下げる」
天は、申し訳なく言った。
「天ちゃん!」
咲は天に抱きついた。
「天と咲は、仲直り出来たみたいだな」
颯人は2人の頭を撫でた。
(今、颯人先輩は天ちゃんの事を名前で呼んでいた…)
寝てた時に仲良くなったみたいだった。
自分が良くしてもらっている人と、天が仲良くなっていたことに嬉しくなった。
「咲にプレゼントがある」
「プレゼント?」
今日が誕生日でもない咲は、首を捻った。
「もう少ししたら、愁先輩が病院から帰ってくる」
「っ!!」
「実は昨日、会っていた」
天が申し訳なさそうに言った。
「愁は、元気だったの?」
「…咲が見た方がいいと思って」
天が目を反らした。
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