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高嶺の花は寝音を立てる6
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「リストっていう人の『愛の夢』だよ」
「愛の夢...」
あの甘いメロディーをもう一度聴きたい。そう思った。
「失恋のツラさが軽減した」
「ははっ失恋したのか。それで泣いてたのか」
そう言えば、失恋したことなんて言ってなかったな。愛の夢か...。
「花村のピアノすげぇから友達も今なら喜ぶよ」
「あれっ僕の名前知ってるの?」
そりゃあ生徒会に所属してる奴の名前は有名だろ。知らない奴の方が少ない。
「僕にも教えて。君の名前」
「張本...桐人」
「覚えておくね」
そう言って笑う彼の笑顔を俺は忘れないだろう。
もう日は落ちかけて薄暗い。
早く帰ろう。
ああ、君の弾くピアノが聴きたい。
単純な奴だと思われるかもしれない。俺は花村の弾くピアノが好きだ。好きになった。
花村のピアノが聴きたい。
生徒会の連中の中にもそう悪い奴じゃない奴も居るんだな。そう思った。
───高嶺の花は寝音を立てるEnd*
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