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Act.10 シアタールーム
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「あ、あそこの部屋はなんですか?」
まだ案内されてない部屋がありました。
「ああ、シアタールームだよ。見る?」
あ、ここなら。締め切られてて外から見えません。ちょうど良い感じに暗くて、ここなら安心して眠れそうです。
「ここで今少し寝ます。ソファもあるし、ここで十分です」
「んー?ここでも良いけど、俺はベッドで寝たいな」
「香月さん、きちんと話を聞いてください。僕は一緒に住むってまだ言ってません」
……まだ?今、僕は「まだ」と、言ってしまいました。これから言いますって雰囲気になってませんか……。
「ごめん、なんだか嬉しくて……つい」
そんなにがっかりとされると、僕が悪いみたいな気になってしまいます。香月さん、傷ついた顔していますし。
嬉しい……そうですか。大切に思ってくれているのはわかります。
「香月さん、僕はちゃんとあなたのこと好きですよ。でもいろいろと、生活の仕方も違うからいきなりは難しいと思います」
「将生?本当に?嬉しいよ」
あれ、なんだかいい雰囲気ですよね。これからもっと近い存在になれるのかな。それもいいかもしれませんね。
「そうだ!俺がいつもここで見ているDVD、将生見たことないでしょう」
いきなり嬉しそうな顔で取り出したパッケージ……って…それは、僕のデビュー作品ですね。
こんな大きなスクリーンで楽しむ映画じゃありません、絶対に使い方間違っています。
「はい、将生。ここにおいで」
両手広げてニコニコ顔の香月さん。もう良いかもしれません、流されちゃって楽しんだ方が勝ちって気がしてきました。僕も相当毒されているようです。
まあ、この部屋なら…まあ…うん。良いかもしれません。
「香月さん、映像より。実物が良いです、そろそろしませんか?」
だってさっきのシャワーから僕も既に臨戦態勢なんですから。
[香月邸 おしまい]
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