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Act.11 バナナ
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「将生が、バナナ……食べてると…ねえ」
香月さん嬉しそうですが、どこにそんな喜べるポイントがあったのでしょうか。
朝から幸せそうですが、僕は朝から辛いです。 「つらい」と「しあわせ」ああ漢字は似ていますね。結局、昨日の夜シアタールームで声を反響させながら啼かされた結果です。
ただいま声はカレテマス……。
できれば、今はそっとして置いてください。
荷物を取りに行くという話は消えて、必要なものは買えばいいという話にすり替わっていました。
どうしても必要なものだけ取りに行けばいいし、後は処分すればいい。そうさらっと言われました。つまり僕は、もう戻れないんですね。何も知らなかったあの頃には。
あれ?というより、僕はまだ何も知らないままですよね。違う方向に目覚めてしまって、普通が何なのか、さっぱり分かりません。
僕は、もしかしなくても一生生童貞ですね。
性別を間違って産んだのではないでしょうか、お母さん。男性にしかモテませんが。
「近いうちに、御両親にもご挨拶に行かなきゃね」
突然ありえない事を言われて、凍りつきました。
「え……今、な、何をおっしゃいました?」
「ん?だから、将生くださいって正式に……」
「ちが、違います!それは、駄目なやつです」
何故か香月さんは僕と結婚するのだと言いますが、本気の様です。とんでもない道を着々と歩んでいます僕。
「なぜ?やっぱり人としてきちんと筋は通しておかないとね」
いえ、人として少し外れた道を歩んでいる事をご存知でしょうか?
あなたの選んだ道は種の保存の法則から大きく外れています。
……あれ…もしかして僕も同じ道を歩み始めて……そうでしょうか?
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