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Act.11 さくらんぼ
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「将生、口の中でヘタ結べる?」
そう言ってペロっと出した香月さんの舌の上には綺麗に結ばれたさくらんぼのへたがあります。
「どうやってそんな器用なこと……」
「ん?こうやって……」
モゴモゴと口の中が動いているのが分かります。けれども、やり方わかんないですねそれ。
「ね、キスの練習になるよ」
え……僕はキスの練習をさせられてるんでしょうか、それとも朝食をとっているのでしょうか?
朝食にシリアルとフルーツ、ヨーグルト。この組み合わせは僕の人生初です。まあ、常に香月さんといると人生初しかありませんが。
今までは朝ごはんと言えば、味噌汁と納豆。日本人万歳って食事だったのですから。それにしても香月さんに納豆って似合わないですyね。
顔もかなり洋物ですし。
「将生にそんなに見つめられると誘われてる気がして……。あ、もしかして、そうなの?」
え、ええっ……今はまだ朝の8時です
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