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Act.14 Tバック
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これっていわゆる……Tバックというものですよね。こんな下着をつける日が来るなんて……涙が出そうです。
「将生、寝室にいるのか?」
まずいです、香月さんです。早くさっきのスキニー履かなきゃ!あ、あれっ?な、無い……リビングに置いてきちいました、馬鹿だあ僕は……。
ガチャッと音がしてドアが開きました。
「将生?何してるの……」
香月さんは怒った顔をしています。そうなりますよね、そうですよね。浮気じゃないんですよ!!!
あれ?……え?
浮気って考えてるって事は……やっぱり僕は香月さんと付き合ってるのでしょうか?
「その格好……オミっ!何したっ!」
正確にはオミさんじゃありません。お醤油です。俺の服を脱がせたの。
「俺じゃ無いよ、将生が自分で脱いだんだよ。ねえ?」
誤解を生む表現はやめて下さい。
「自分ですけど、自分じゃないですっ。お醤油が……」
もう何を言い訳してるのか。パニックです!
「お醤油かぶってしまってシャワーと服を借りたとこです。だって僕、こんな…こんなTバックの下着持ってません!」
つい必死になって状況を説明しようと、シャツを捲り上げでしまいました。凍りつくようにピタッと動きが止まった双子の視線がじっと一点に集まるのが解ります。
「うわぁっ」
慌ててシャツを押さえて床に座り込んでしまいました。恥ずかしすぎます。僕は……一体、何をしているのでしょう、涙がでそうです。
「将生、それタンガって言うの。覚えてて、似合うよ」
オミさんが優しく言ってくれます。タンガですか、そうですか別にどっちでも良いです。
「これ次の撮影に使うやつだから、後でユズに弁償してもらわなきゃね」
「兄貴……次の撮影って下着?」
香月さん、「兄貴」に戻ってます。お怒りモードは終了ですね。というより……声が嬉しそうなトーンになっていますよ。
「そうだけど?なんで?」
「将生のおし……いや、何でもない。他の下着ってないの?」
えっ?今お尻って言いかけましたね。更に、他のって?ほ、か、の……と、おっしゃいましたよ。何をする気ですか?ねえ、香月さん!
「お、見たい?ちょっと待ってて!」
「いやだぁあああ」
叫ぶ僕の声は二人の耳には届きません。
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豆知識
Tバックはこれは和製英語で海外では通じません、
TangaもしくはBrazilian underwear と言います。
これより紐の細いものをG-stringsと言います。
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