アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
50
-
静寂を増す部屋の空気に、アルバートは恐る恐る悟に問いかける。
「それって……発情期、ですよね?」
「そう……だから、今日は部屋に戻ってくれる?」
その問いかけに悟は息を呑むが、なんとか微笑みを作り出した。さすがに、これはアルバートにも無理して装っていることがバレバレだ。
「ですが、辛そうです。とりあえず、ベッドまで」
「っ!」
「ゆっくりいきますから……大丈夫ですか?」
「う、うん……」
アルバートに手を触れられ、時間をかけて握られる。体温が高く、少し汗ばんでいて。アルバートの緊張感が伝わってきた。
そして、時間が経つにつれて、次第にアルバートの感覚が馴染んでくる。震えが治まると、それを見込んでか腰に手が回り、
「ぁっ……」
と、鼻から抜けるような、いやらしい声が出てしまった。
「サトルさん……」
「ごめ、変な声出る」
ゴクリと唾液を飲むアルバートに、悟は恥ずかしくて口を手で押さえて。ベッドへようやくたどり着き、腰をおろす。
何も喋ってこないアルバートを見やれば、ある一点に視線が注がれていることに気づいた。
「あ……」
そこは、悟の張り詰めた股間で。それに気づけば、視線がやけに気になって仕方がなくなる。部下へこんなみっともない姿を見せていることに羞恥心が沸き上がり、頭の中が真っ白になりそうだった。
結局いたたまれなくなって、もじっと太腿を擦り合わせると、アルバートが思いもよらないことを言い出した。
「一度、抜いたほうが良さそうですよね……」
「えっ……? 駄目、アルバート、やめて……っ」
ベルトのバックルを外そうと伸びてくるアルバートの手に、悟は止めようとすかさず抵抗する。が、発情期で上手く力が出せないせいで、アルバートのほうが一枚上手をとっていた。
「出してしまえば、落ち着くと思いますから。このままでは辛いでしょう……?」
「いや、だ!」
ベルトが外れたと思えば、包まれるように抱き締められて、そのままベッドへ倒れる。これで身じろぎしても、アルバートの胸板を押しつけても、体重で押さえつけられることによって、ほとんどの抵抗が無駄なものとなった。
荒い呼吸とともに、アルバートの匂いを感じる。しかし、今の悟にはそれが気持ちが悪くてどうしようもない。
レナードじゃない。求めてるのはレナードなのに、なんでレナードが相手じゃないのだろう。もっと蕩けるような甘い匂いが欲しい。あの夜を呼び覚ますような甘美を。
「大丈夫。少し、だけですから……」
「ひ、うっ……!」
悟の履いているスラックスを寛げたアルバートの手が、ついに下着の中に侵入を果たし性器に触れる。
その瞬間、悟は声にならない悲鳴を上げ、ぶわっと涙を溢れさせた。
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
51 / 314