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風呂場に行き、お互い何も身に付けていない裸になる。郁の裸に体が熱くなる。
「完勃ちしてんじゃねぇかよ。ちゃんと、勉強してなかっただろ。」
「し、してた!!」
「じゃあ、何でこうなってんだろうな。」
そう言って、郁は俺を置いて先にシャワーを浴び始める。程良く引き締まった背中を眺めていると、濡れた髪を後ろに流してこちらを振り返る。…俺を余計に煽っているのは郁なのに。こんなに性的欲求が強くなっているのも郁のせいなのに。恋人が、勃起している姿を見ておいて、何もしてこようとしない郁。…余裕ぶっこいててムカつく。
「…他の人としてたりしてないよね?」
「…は?何で。」
「だって、してくれないから。」
本当は、疑いたくないけど疑ってしまう。俺だって同じ男だ。個人差はあるかもしれないけど、1か月ぐらいはしてないんだから溜まっているに違いないのに、こうやって妄想しただけで完勃している俺とは違って、郁は全然余裕そう。1日の半分以上郁と一緒に居る事が出来ない。高校は男子校だ。俺がいないのを良い事に、俺よりも可愛い男子に言い寄られてヤったかもしれない。いや、もしかしたら、郁が下になってて鳴かされているパターンもありうる。
「あのなぁ…。俺は、そこまで下半身緩くないからな。ただ、今日はいつもよりも客が多かったのと、雑用が多かったから疲れてもう寝たいだけだ。それに、明日も学校だろ?朝早く起きないといけないからな。」
「でも、最近してくれない。」
「何、そんなにしたいわけ?自分でヌいてたらいいだろ。」
「自分じゃ物足りない。」
「ったく、お前は我儘だな。今日は自分でしろ。週末になったらしてやるから。」
週末まで待たないといけないのか…。郁にバイト辞めてほしいな。社会人になったら、もっと一緒に居られなくなりそうで不安。時間が経ったし、そういう気分じゃなくなったから、自然と下も落ち着く。そう言えば、キスも何日かしてないような。唯一しているのは、抱き締められて寝る事。
「何?まだ、何か不満でもあんの?」
「…キス。」
「キス?」
「キスも最近してない。」
ついでに言うと、デートもしてない。他の人に郁が見られるのは嫌だから、そんなにしなくてもいいけど。恋人らしい事をあまりしてない気がする。不満じゃなくて…不安。そういう行動がないと、もう飽きられているのかなとか思ってしまう。段々一緒に居るにつれて、郁に対する好きが大きくなっていく。だから、最近少しの事でも嫉妬しちゃって、“あれ、俺こんなにも重かったっけ?”と思う事が何度かあった。
「そうだったか?まぁ、キスぐらいなら良いけど。それでスイッチが入らないんだったらな。」
「大丈夫。」
そう言うと、顔を上に向かされて口づけされる。啄むような軽いキスから、下を絡めるような深いキス。郁の体液が流れ込んできて、それを全部吸い取ってしまうかのように飲み込んだ。
好きで好きで…。もうどうにかなってしまいそう。このまま郁と一心同体になれてしまえばいいのに。郁の中に俺が吸い込まれてしまえばいいのに。最初は、こんなにも好きになるなんて思ってなかった。きっと、好きになっても豹兄を超えるぐらい好きになる事なんてないだろうと思ってた。けど、今じゃ豹兄を好きだった事を忘れるぐらい郁に夢中になっている。俺から郁を奪ったら、もう何も残らないような。もう消えてしまってもいいようなぐらい、郁が好き。
「もう終わりな。」
夢中になって貪り続けていた口を離されて、寂しさが残る。もっと、もっと欲しいのに。でも、キスだけだと言った。だから、我慢しないと駄目。飽きられてしまうのは嫌だ。
セックスをしない代わりなのか、普段は滅多にしてくれないのに髪や体を郁に洗われる。隙間のないように、体の隅々まで。もう、体が動けなくなってしまったらいいのに。そうしたら、食事もトイレもお風呂も全て、郁に管理してもらえる。毎日、ずっと体を触っていて貰える。
「んっ。」
「感じるなよ?」
好きな人に体を触られているのに、感じるななんて…キツい。郁の吐息が、声が耳にダイレクトに響く。優しく触れられる体が熱を持ち始める。触られる所が敏感になって、感じそうになってしまうのを必死に堪えた。体を洗われるのが終わって、体に付いた泡をお湯で流される。俺よりも先に体を洗った郁は、すっかり湯冷めしてしまったようで体が冷たい。
「夕飯、ちゃんと食った?」
「うん。美味しかった。」
「それならよかった。」
足と足の間に座って、郁にもたれる。これがいつもの俺の定位置。腰のあたりには手が回されていて、その手に自分の手を重ねる。
「ここで寝んなよ。」
「うん。」
嫌いな勉強をしたせいか、疲れがどっと押し寄せて瞼が閉じそうなのを必死で堪える。俺よりも郁の方が疲れているのに、よく眠くならないなぁ。俺、売春以外の仕事なんてした事ないから、どれだけ疲れるのか知らないけど、きっと大変なんだろう。俺に出来る事は何もないけど、せめて夜はぐっすり夢のない眠りについて欲しいな。
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