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ついに、アイリスの撮影の日が来た。スタジオのある建物に入ると、村岡が出迎えてきた。
「ミヤビさん!おはようございますっ!」
「......おはようございます」
スタジオの場所は前回見学した所と同じで、付き添ってもらわなくてもわかっている。それなのに、村岡はマネージャー面をして張り切っている。たかが一回頬にキスしただけで、自分は特別だと思い込むお花畑な頭の持ち主。ほんと、めんどくさい。
「スタッフさんのところにご案内しますね」
スタジオに入ると、前回と同じくたくさんのスタッフがいて、村岡が一人一人案内して回った。ほとんどが男性スタッフだったのは幸か不幸か、俺が微笑むだけで顔を赤くする奴らまでいた。時々差し出される手を、悪戯心で握手というには少々色をのせて握り返せば、それだけで勃起してるやつまでいて、笑いを噛み殺すのに必死だった。
「これはいつもの撮影じゃないんだから、あんまりスタッフを悩殺させないでよ、ミヤビちゃん」
最後にプロデューサーと演出家と挨拶したときに、笑ってそう言われた。さすがに経験値が違うようだ。しばらく談笑していると、レイが現れた。
「おはようございまーす!」
「あ、レイも来たし、ミヤビちゃんもメイクしてもらってきて。おーい、レイ、ミヤビちゃんもメイク室連れてってやってー」
「はぁーい」
初めて見るレイの私服姿は、メディアで見るのと変わらないと思った。化粧はばっちりだし、スカート穿いて女のような格好をしている。レイが現れるだけでその場が明るくなった感じがした。それは芸能人特有のオーラなのか、レイだけのものなのかはわからないけれど。
「ミヤビちゃんおはよ!こっちだよ、行こ」
にっこり笑う顔は、俺とは違ってどこまでも無邪気で可愛らしかった。
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