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冷たいコンクリートの床
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大きな手が俺の耳に近づいてくる。
「や…だっ……」
それと同時に過去の事がフラッシュバックする。
俺は耐えられず手を出して
その大きな手をぱちんっ…と
叩いてしまった。
するとさっきまで興味津々だった目が
不満気な怒りの目へと変わり、チッと
舌打ちをした。
「んだよ、折角金払って相手
してやろうと思ったってのに!」
…ああ、またやってしまった。
前のご主人の時もこうやって
怒らせてしまってこの部屋に戻ってきた。
どうして俺は誰かを怒らせる
事しかできないんだろう。
「ぃたっ……ごめん……なさ…!」
茶髪の人は体の至る場所に蹴りを入れる。
俺をこの部屋に連れ返した
黒い服の人よりも断然力が強かった。
2人掛かりで蹴ってきてるのかと
思って見ると、いつの間にやら
もう1人の男の人は居なくなっていた。
いつだって俺は誰かを喜ばせること
なんて出来なくて、何もかもが
うまく出来ない。
─なんにも出来ないのに、
なんで俺は生まれてきたんだろうな…
何度も何度も考えてきた事だった。
腕で遮っていたつもりだったが、
体中は痣や真っ赤な血がたくさん。
もう慣れているはずなのに…
心と身体が酷く痛んだ。
そして泣き虫な俺はまた、涙を流した。
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