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笑顔の裏は真っ黒
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「ゔっ…!ぁ…」
何度も、何度も振り下げられる。こんな痛み
初めてで気が飛んでしまいそうになった。
反射的に腕で防ごうとするも出来ず、身体を
縮こめることしか出来ない。
そろそろ限界が近づいてきたところで
動き続けていたつづるさんの手が止まった。
「私は何も殺そうとはしていない。事が手遅れに
なる前に犬子を怯ませている…ただそれだけだ」
「はぁ…は…っ…」
情のない目で見下されるも、木刀で殴られた
ばかりのあちこちが痛み何も言い返せない。
俺は、狂ったりしない…のに。
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夜のお寺の縁側にぽつんと座り込み、
風に揺らされる緑達を眺める。
あれから多分、数日が経った。
俺は、俺は逃げなかったんだ。それより
逃げられない…といった方が正しいと思う。
逃げようとしたところで、また殴られるから。
それでも頑張って耐えたんだ。
この日々を乗り切れば、家に帰れるから。…でも
「お母さん…もう、かえりたいな…」
耐えられなくなり、気付けば口から弱音が
こぼれてしまった。そう口にしてしまった途端
求めてもいないのに目の奥から熱いものがこみ
上げてくるのを感じる。
「辛いよぉ…っ…」
限界だった。
もう…此処には居られない。
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