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でも、あんなに綺麗な人を差し置いて、こんな俺みたいなのを選ぶだなんて、そんな事は絶対あり得ないし、誠実な木下さんに限っては二股もあり得ない。
だとすれば、一緒にいた彼女は木下さんの姉なのかもしれな。
そして、俺のように家族で初詣に来ていただけかもしれない。
木下さんの事はもちろん信じているし、こんな事、今は聞くべきではないのかもしれない。
けれど、グダグダと一人で悩んで不安な気持ちが態度に出ると、また木下さんに嫌な思いをさせかねない。
「あ、あの……先ほどの女性は……?」
思いきって聞いてはみたものの、やはり一抹の不安は拭い切れなくて、無意識に身体が強張る。
「彼女は、高校時代のマネージャーです」
「マネージャー?」
予想外の返答と、相変わらず嬉しそうに微笑む木下さんの様子に、思わず声が裏返ってしまった。
「はい。今日は、バスケ部の連中と初詣に来ていたので。高校時代からの恒例行事なのですが、俺達の代は特に仲が良かったので、今だに毎年集まっているんですよ」
「あ、そうなんですね。あの人はバスケ部の……」
(そっか……、部活仲間だったのか)
「ヤキモチ、ですか?」
ホッとしたのも束の間、ニヤニヤした顔で覗き込まれて、いきなり核心を突かれてドキリとした。
「えっ!?そんなんじゃなくてですねっ、えっと、俺なんかが、本当に木下さんを独占しても良いのかなと、思いまして!あの、素敵な方がいらっしゃ…」
初めて見る木下さんの意地悪な顔に、羞恥心でいっぱいになって、テンパりながら言い訳をしていると、突然、口を塞がれた。
チュッと小さな音を立てて離れていく、木下さんの顔を呆然とみつめる事しか出来なかった。
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