アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
20
-
再び伸びてきた腕に誘われて、深く抱きしめられ、全身に木下さんの熱を感じた。
「俺の為と言いながら、離れていかないでください。他の誰かでは駄目なんです。俺は、あなた以外、誰も欲しくありません」
耳元で囁く熱い吐息を孕んだ言葉と、強くなっていく締め付けに、まるで熱に浮かされたように木下さんだけを感じて、涙が溢れそうになる。
『俺なんかじゃ、木下さんを幸せに出来ない』
そう、俺は、自分に自信がないあまりに、木下さんの気持ちから逃げていたのかもしれない。
逃げずに向き合いたい。
たとえ、誰かに後ろ指さされたとしても、お互いを見失わず、大切にしていけるように。
「こんな不甲斐ない俺でも、許してくれますか?」
「許すも何も、あなたのお陰で……とても幸せです。大好きです、ずっと」
改めて許しを乞う俺を、木下さんはこれ以上ないくらい、甘やかすように極上の笑顔を向けてくれた。
end.
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
43 / 47