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「ウッソー」
姉が本気で狼狽えているのを目にして、罪悪感に苛まれた俺は咄嗟に誤魔化していた。
「へっ?」
「だから冗談だって。あ、信じた?ごめんな」
ポカンとした顔の姉を前に苦笑いしながら更に取り繕うと、姉が目くじらを立てて迫って来る。
「も~!何なのよ!」
姉はただ、いつものように俺を心配して説教してくれていただけなのに、図星を指されて八つ当たりするなんて、みっともない。
何も知らない姉に余計な心配をさせるのも間違ってると思った。
「姉さんの小言がウザかったから、からかっただけだよ」
「ウザいって……失礼ね」
「颯太ぁ。ママは、いっつも、おこりんぼだね~」
わざと悪態をついて、聡い姉に気付かせないように注意を子供に反らす。
「おこりんぼね~」
「何よ、もう」
俺と颯太を交互に睨む膨れっ面の姉を見て、ホッと胸を撫で下ろした。
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