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木下さんは小さな溜め息をついた。
呆れたのだろうか?
面倒だと思ったのだろうか?
白い息を目にした瞬間、胸がギュウッと締め付けられる。
そして、木下さんは眉をひそめて口を開いた。
「……分かりました。俺の勘違いだったんですね。すみませんでした」
そのまま目を合わせる事なく、ただ頭を下げる木下さんを見て俺は慌てて駆け寄った。
「えっ、いや、そんな謝らないでください!俺はただ、誤解が解きたかっただけで…」
「誤解を解くのは、別に今でなくても良かったのではないですか?」
木下さんの肩を掴んで体を起こそうとすると、木下さんはそう言って下から俺を睨みつける。
「えっ?」
その視線が怖くて、思わず手を離した。
「どうして、今なんですか?」
見た事のない瞳。
聞いた事のない低い声。
木下さんは、明らかに俺に対して怒りを露にしていた。
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