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ここに住め
その言葉を聞いてバタバタと暴れだすよつばを持ち上げてぐるんっと一回転するとびっくりしたらしく静かになる。
そのまま床に降ろして頭を撫でてやるとホワイトボードを取り出してまた文字を書き始めた。
『いいの?』
不安げに俺を見上げながらホワイトボードを見せてくるよつば。
腕の中で暴れたくらい嬉しいのに遠慮する。
素直にうんと言えないのはきっとよつばの育ってきた環境がそうゆう環境だったから。
『ぼくなんかがいっしょなのいやじゃない?』
書きたされた文字にまた心臓がキュっとなる。
この質問は裏を返せば家で自分が邪魔者扱いされていたという事になる。
誰かに握られたみたいに苦しい心臓をどんっと叩く。
その音にびくついたよつばに手を伸ばして
「大丈夫だよ。そもそもお前といるのが嫌だったらここに連れてきてない。だろ?」
抱き寄せて頭を撫でながらそう言えばよつばの指が背中にすらすらと言葉を綴った。
『ほんと?』
少しわかりにくかったけど伝わった言葉。
「あぁ、ほんとだ。」
よつばは俺の言葉を聞いて、少し間を置いてからぎゅうっと抱きついてくる。
すりすりと胸に頭を擦り付ける甘えたような反応に少し嬉しくなった。
「で?どうする?住むか?」
抱きついてきたよつばとの隙間をもっとなくすように抱きしめ返してやると苦しかったのかトントンと背中を叩かれた。
それでも離さずに抱きしめているとよつばはこくこくと頷きながら背中に『すむ』と綴った。
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