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転校生
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二年に上がってすぐの5月、季節外れの転校生がやってきた。
この学園に転校生が来るなんて何年ぶりだろうか。
しかもそいつは、最難関と言われる編入試験で満点をとったという。
そして、他人を寄せ付けない副会長が転校生を気に入ったと言い出したことで、俺の転校生への興味はさらに高まった。
転校生、黒田太陽の第一印象は冴えないオタクだった。
副会長はどうしてこんな奴を気に入るのか、と不思議に思ったが、転校生はその外見に似合わない明るい性格をしていた。
初等部からずっとこの閉鎖的な学園で暮らしていた俺にとって、転校生の考え方は新鮮だった。
そして、戯れにキスをした俺を殴りとばしたことで、転校生──太陽への興味は、好意に変わった。
俺の周りの奴等は、殴るどころか俺に反論すらしない。
──太陽は、俺の取り巻き達とは違う。
家柄じゃない、俺自身を見てくれる。
それから俺は、頻繁に太陽のところへ行くようになった。
他の生徒会役員や親衛隊持ちの生徒達も太陽のことを気に入っているらしく、いつも彼等が太陽の側にいることは少し不愉快だが、それでも太陽と過ごす日々は楽しかった。
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