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太陽の涙
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ある朝、生徒会室に向かうために廊下を歩いていると、誰かの悲鳴とざわめきが聞こえてきた。
声のする方へ行ってみると、階段の前で太陽が泣き崩れていた。
「太陽!」
太陽は、俺の方を一瞬振り返り、再びうずくまって泣き出した。
「俺の…せいで……。俺のせいで……!」
太陽はずっと、「俺のせいで」と呟いていた。
このままでは埒が明かないと思い、周囲の生徒に聞いてみると、どうやら篠宮が階段から落ちたらしい。
その直前に親衛隊と太陽が言い争っていたという証言もあった。
きっと篠宮が太陽への制裁をしていたのだろう。
「太陽を傷つけた罰が当たったんだな。」
怒りのままにそう呟いた瞬間、座り込んでいた太陽が突然立ち上がり、俺を思いっきり投げ飛ばした。
太陽はさらに、倒れ込んだ俺の俺の胸ぐらを掴んだ。
顔に何か温かいものが落ちてきた。
──涙?
見上げると、太陽が涙をボロボロこぼしながら、周囲に聞こえるような大声で叫んだ。
「紗智はそんな事してない!もう紗智を傷つけるような事言うな!!」
そして始めて聞いた太陽の怒声に放心状態の俺を乱暴に投げ飛ばし、階段を駆け降りていった。
「紗智!目を開けてくれよ!紗智っ……!!」
俺はその場から動けず、救急隊員が篠宮を担架に乗せて運んでいくまで、呆然と太陽の悲痛な叫び声を聞いていた。
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