アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
思い出せない、大切なこと
-
目を覚ますと、真っ白な病室にいた。
「紗智、目が覚めたのか!?」
「太陽くん……?」
「よかった……!俺、紗智がもう目を覚まさないんじゃないかって、ずっと不安だったんだ。今、先生呼んでくるからな!」
僕がどのくらいの間眠っていたのか分からないけど、もしかして太陽くんは、ずっと側にいてくれたのだろうか。
太陽くんが帰ってきたらお礼を言おう。
病室のドアが開いて、太陽くんが戻ってきた。
その後ろには、白衣を着た40代位の男性と、見知らぬ青年。
その青年を見た瞬間、会ったことは無いはずなのに、なぜか胸の奥がひどく痛んだ。
「紗智、ごめん!龍樹が来てるの知らなくて……。生徒会長だから、生徒が入院したら様子を見に来なきゃいけないとかで……。」
──会話が噛み合わない。
僕は、この青年のことを知らないはずなのに。
「どちら様ですか?」
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
10 / 58