アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
手遅れ……なんかじゃない
-
部屋の外から聞こえた音で我に返って日記を閉じた。
篠宮に謝らなくちゃ、と思い部屋を出ようとしてからついこの前聞いたばかりのことを今更思い出す。
──篠宮は、俺のことを覚えてないんだ。
胸の奥が、また痛んだ。
本当の気持ちに気づいた時には、もう遅かった。
今この想いを伝えたって……。
突然知らない人に告白されたら、普通は断るに決まっている。
気づいた瞬間に失恋か、という悲しみがこみ上げてきた。
肩を落としたそのとき、右手に持っていた日記が目に入った。
──篠宮は、俺に暴言を吐かれても俺のために頑張ってくれたんだ。
今からでも遅くない。
俺もこの想いを、篠宮に伝えなければ。
俺は日記を持ったまま、急いでリビングへ向かった。
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
30 / 58