アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
土曜日
-
翌日。
土曜日であるにも関わらず、俺はいつもより早く起きて出かける支度をしていた。
山奥にあるこの学園から町までは車で約30分かかる。
それに、篠宮が倒れた日は緊急だったので書かなかったが、学園から出る際は外出届を寮監に提出して許可を貰う、という面倒くさい課程があるのだ。
そしてその寮監というのが、暇さえあれば可愛い子を連れ込んでヤりまくっているという……所謂ヤリチンである。
案の定、俺が外泊届けを持っていくと、寮監室の中から甲高い喘ぎ声が聞こえてきた。
流石に俺も他人がヤってるところには入りたくないので、寮監の部屋の前で待機し、男子生徒が出てきたところを見てから中へ入る。
半裸でベッドに横たわっていた寮監に舌打ちしながら外出届けを手渡して許可印を貰い、太陽と待ち合わせている校門へ行くと、そこには何かを話している太陽と矢吹の姿があった。
どうして矢吹が居るのか、と思い太陽に尋ねると、どうやら昨日、キッチンで俺と太陽の会話を聞いていたらしく、自分も篠宮に謝りたい、と言い出したため連れてきたらしい。
いつも機嫌の悪そうな顔をしている矢吹は、いつになく険しい顔をしていた。
矢吹は俺と違い篠宮に暴力を振るったこともあったから、余程罪悪感を感じているのだろうか。
それとも、俺と同じように篠宮に会うことに緊張しているのだろうか。
俺たちの話を聞いていたのなら、篠宮が自分を忘れている、ということも知っているはずだが。
矢吹の顔を見ながら考え込んでいた俺は、太陽の声で思考を中断し、太陽の後に続いて歩きだした。
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
36 / 58