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強制的女装男子高校生の悲しい現実 と 自主的男装(腐)女子高校生の嬉しい現実
日本犬系不良(?)先輩君、いつもの屋上で side 柊
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あー、眠い......。
一時間目の授業からいつものように抜け出しいつもの屋上に来て、陽射しが暖かくて寝ちゃってたんだけど、もう四時間目かぁ。
んー、意外に真面目な真祈のことだから、授業が終わってから来る筈だから、もう少し――あと四十分ぐらいで来るかな?
――ガチャリ。
あれ、いつもより随分早いな。
いつもの真祈だったら、昼休みに来ていつも自分で作ったお弁当を持参して食べに来るのに、今はお弁当持ってないし。
「柊ー! 柊に癒されに来たよー」
扉を開けて明るい調子で言った真祈が、珍しく強張った顔をしているのが見えた。
「あれ......、真祈。どうしたの、今授業中だよ?」
珍しい、真祈が授業中に屋上に来るなんて、しかも、いつもみたいな笑顔じゃなく強張った顔で。
屋上のフェンスにあぐらで座っていた俺の姿を見るや否や、真祈が下手したら大怪我をするんじゃないかぐらいのスピードで飛び込んできた、......危ない危ない。
「って、それは柊もだろっ!! ......えーと、理由?」
「俺は良いんだよ俺は。あー、やっぱり分かったから言わなくてもいいんだよ? あの二人関係でしょ」
すこーしだけ視線を彷徨わせた後、真祈が渋々頷いた。
「............うん」
「真祈も大変だねぇ」
未だ、少しだけ強張りの取れた――もう強張った顔をしてないとは、俺は言ってない――真祈を安心させる為に頭を優しく撫でる。
「落ち着く............」
そう言った後、真祈が甘えた子猫のように頭を俺の腕に擦り付ける。
誘惑してるのかな、この子は......。
襲いたい、いやいやいや!!!!!!!!!!
真祈がこう甘えてくるのは、俺にはいつものことで信頼してるからこそ甘えてきて、真祈にはそういうつもりも無いことも分かってることなんだから!!
本当にこの子は、俺をかき回すのが上手いなぁ......。
いつになったら、そういうのも許して貰える関係になれるのか、本当俺だけこんなに悩んでいて馬鹿みたいだ、クスリ。
ではまぁ、こんなのは今は考えるのを止めて、俺の横にいる、ワガママなお姫様の御所望通りに撫でることに致しますかね。
真祈の髪をとかすように撫でる。
それだけで、もう眠そうにするんだから、真祈が俺のことを誘惑してる以外に思い付かない。
「眠そうだね、真祈。俺の上ならいくらでも寝ても良いよ?」
「......ん、じゃあ遠慮な、く............」
可愛いなぁ、真祈。
これなら、今から触れるだけならしてもいいかな......。
........................ちゅ。
やってしまったよ!?
うわ、どうしよう!?
つい、やってしまったんだけど、真祈に引かれないかな!!??
どうしようーーーーーー!!!!!!!!!!
あーでも、こんなときでも真祈は可愛い!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
<堂々巡りの為、以下略>
「......?」
トロンとした焦点が定まってない目で真祈が見上げてくる。
エロい、......。
「ふわぁ............」
あくびも無防備なんて将来が心配だよ、俺は。
「あ、真祈起きちゃったか......」
「柊、俺って何分寝てた?」
もういつもの真祈かぁ、残念だなー............。
寝起きの真祈も可愛かったのに。
「せいぜい十分、ぐらいじゃないかな?」
「もしかして、柊。俺が寝てた間も撫でてくれてた?」
「勿論」
「柊、もう撫でなくて良いよ? もう十分過ぎる程撫でてもらったし」
ばつの悪そうな顔をしなくても。
「真祈は心配しなくて良いんだよ? 俺が好き好んでやってることなんだから。しかも、真祈の寝顔も少しは見れたからね」
「でもさ、かれこれもう十分は経ったと思うから、柊も撫でてばっかりで腕が疲れたろ? だから......」
「あはは、本当に真祈って可愛いね」
「柊、『可愛い』言うなっ!!」
真祈が俺の手が届かないギリギリの位置に離れながら叫んだ。
「え、でも可愛いよ? 真祈は。並大抵の女子より。しかも、今は可愛い女の子にしか見えないし」
本当に真祈は可愛いなぁ。
全力で愛でたい。
「........................そのことは言わないでくれよ。って、柊!! だから――」
焦ったように真祈が言う。
そういう単純なお馬鹿で真っ白い真祈を、少しの罪悪感も感じずにこんなにも黒い俺は言いくるめよう。
「分かった分かったから。真祈に『可愛い』ってもう言いません。これで良いかな、愛らしい真祈?」
「だから、『可愛い』ってi、......ん?」
「俺、『愛らしい』とは言ったけど、『可愛い』って言ってないよ?」
「......そうだね」
「でしょ? はいはい、拗ねてる真祈、俺に背中を見せてないで。そんな俺の手が届かないところじゃなくて、もうこっちにおいで。真祈の気が済むまで、愛でて――撫でてあげるから」
「......拗ねてなんかないし、――少しだけ照れてただけだし。............あれ? 何か柊に言葉巧みに誤魔化された気がする?」
真祈は背を向けながら、コテンと首を傾げた。
――駄目だなぁ、真祈。
――後ろの俺にも警戒しないと。
「俺に今まで背中を向けてた理由が拗ねてるんじゃなくて照れてたなんて。そんな可愛らしいことを言う真祈には、――もう『優しく』撫でてあげないよ? でも、俺にとっても、勿論真祈にとっても、――ある意味『イイコト』なんだけどね」
――だから、簡単にイタズラをされちゃうんだよ。
――だから、簡単に自分の大切なモノを守れずに傷を付けられてしまうんだよ。
――そう、君の幼なじみちゃんとかさ。
――はいこれがナイフだったら、これで真祈の足は怪我を負うんだけど、『今の俺』はそんなモノを持っていないから良かったね。
――スー。
と人差し指で撫でる。
「ひゃ、っ......!?」
クスクス、可愛い声。
「ただ『真祈の後ろからふくらはぎを『スー』とやってみた』だけで、そんな反応をするなんて真祈は敏感だなぁ。また怒られるだろうけど、......真祈って本当に可愛いー。でも、こんなことでそんな声をあげてるんじゃ駄目だよ、真祈」
「そんなこと言いながら、『俺の腕を引っ張ってよろめいた俺を自分の胸に倒れこませる』なんて、下手したら二人とも大怪我する可能性があったのに、普通に――俺に衝撃を与えずにこなした柊なんて完璧過ぎて嫌いだ」
そんな真祈の不満を聞きながら、さっきから感じていた視線の元を睨み付ける。
どうせ、あの二人なんだからやっていることは決まっている。
「もっとやりたいんだけど、こんな状況では出来ないな。――で、さっきから何をしてるの? 趣味悪いと思うんだけどさ、俺はそういうの」
本当に真祈を、昼休みまで独り占め出来る、と思ったのにー。
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