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「おい!早く出て来なさい!」
女の金切り声にルイスは目が覚めた。
あぁ、また殴られるのだろうか。そんな事を考えながら、腫れた足を引きづり女のもとに行く。
「おはようございます。お母様」
「いい?今日はアノ日なんだよ?お前が死ぬ日さ。あぁやっと厄介払いできると思うと清々するよ」
「…ごめんなさい」
「お前が選ばれなきゃ私の可愛い娘が選ばれていた筈なのに!」
理不尽な暴力が今日もルイスを襲う。
この村の狂気に満ちた掟のせいで。
「ママー?ご飯はまだぁ?」
「あら、マーシャ、起きちゃったのね。今から作りますからね」
「あら、ルイスあなた今日もみすぼらしい格好ね。そんな汚い格好で彼の方達にお会いする気なの?」
娘のマーシャが、愉快そうに顔を歪めた。
彼女の綺麗な金髪は朝日に照らされキラキラと輝いている。
この村で一番に美しい娘だった。
ルイスが来るまでは。
「これ以外…何も持ってないから…」
「そう…可哀想なルイス」
最後まで顔を歪めていたマーシャは母親に呼ばれルイスの前を通り過ぎた。
「今日があなたの命日になるわ。なんだってあなたのその格好じゃぁ顔がいくら美しくても貴方を醜いと御判断するもの」
耳元で囁かれた、サヨナラがルイスの心に刃を突き立てた。
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