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そう言ってシャルがルイに渡したのは、砂糖だ。
パスタに砂糖なんて聞いた事がない。
絶対美味しくないし
「これは…なんですか?」
「これはなぁ、砂糖っていって甘ーい味がするんだ」
「甘ーい味…」
ルイがたどたどしく甘ーいって…
可愛いすぎるっ
「シャルこそ、変な事教えないで」
「あ?本当に旨いんだって」
「絶対美味しくないよ」
阻止しなければ。
ルイの味覚が、危機にさらされているっ
「僕…甘ーいの好きです」
「おー好きか?俺と気が合うなー」
金色の目を輝かせながら砂糖を見つめる。
なんて、美味しそうなんだと、そんな表情で。
「でも…アーネストさんが美味しくないっていうなら、僕は食べません」
「ルイ…」
「ルイスくん、君は自由なんだ。食べたいものは食べたいって言っていいし、嫌なものは嫌って言っていいんだよ?ここでは、君は自由なんだから」
「僕は…自由ですか?」
自由と小さく呟いたルイは、また顔を曇らせる。
易しい人生を送ってこなかったルイは、これから何度もこんな顔をするだろう。
でも、やっぱり好きな子の悲しい顔程、苦しいものはない。
「ルイ、砂糖かける?」
「え…ごめんなさい…わからないです」
「んー…ルイ、かけたい?」
「ごめんなさい…ごめんなさい…」
金色の目から、力が抜けていく。
さっきまであった感情が、無表情で上書きされていく。
持っていたフォークを静かに置いて、謝り続けるルイはかすかに震えていた。
どうして、泣かないのだろう。
涙を流してしまえば、とても楽になるのに
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