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こういうところで、ルイがどれだけ酷い場所で生きてきたのかがわかる。
「ルイ、これ持って行ってもらってもいい?」
「はい」
フレンチトーストの乗った皿を一つルイに渡す。
それを慎重にルイは受け取りそろりそろりとテーブルまで運ぼうとした。
俺が目を離した時に事は起きた。
「ルイ⁈大丈夫か⁈」
「あっ…うぁ…」
ルイが持っていたお皿を落としてしまったのだ。
皿を見つめていたせいで足元が見えていなかったのだろう。
「ごめんなさい…ごめんなさい…僕っ…僕っ…」
「ルイ、怪我してないかい?」
ルイの怪我を確認したいのだが蹲ったまま動かない。
大きな怪我でもしてしまったのか、と不安になる。
「ルイ…俺は怒らないよ。ルイ、顔上げて」
「ごめんなさい…アーネストさん…僕を許して…お願い…一人はやっ…」
顔を上げたルイの口元は歪み、眉間が寄ってシワができている。
泣くのを我慢しているのかと思えば、目には涙は浮かんでいなかった。
「ルイ…大丈夫だよ。許してあげるから…ね?」
「アーネストさん…アーネストさん…」
俺の名前を呼び続けるルイを抱きしめる。
何がルイを泣けない子にしてしまったのか。
俺の腕の中で震えるルイを強く抱きしめた。
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