アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
6
-
怒りと嫉妬で真っ黒だった俺の心がひび割れていく
「ルイ…」
少しだけ手を伸ばした
俺のほんの少しの気持ちがルイに伝わるように
俺の一番の願いはね
君の幸せじゃないんだよ
そんな大それた事言える大人じゃなかった
独占欲の塊みたいなオトコだった
「アーネストさんっ…」
ルイが俺の指をギュっと握る
「僕…これ以外でもなんでもするから…だから…」
「ごめんね…ごめんね…ルイ」
ルイの言葉を遮るように被せる
俺は新しいシャツをルイに着せ抱き上げる
玄関に向かいながらも、涙を止める事はできなかった
「アーネストさん…?」
俺の服にしがみつき不安そうな顔をする
玄関のドアを開け、風が身体を撫でる
お互い火照った肌には丁度いい気温で、清々しさまで感じられる
車の助手席にルイを座らせ、シートベルトをしてやる
俺も運転席に座り、ため息をついてハンドルを握った
「アーネストさん…どこ行くの?」
「…ごめん…」
「アーネストさん…?…アーネストさん!僕…ヤダ…ヤダよ!アーネストさん!」
隣のルイがシートベルトを煩わしそうに身体を動かす
俺のハンドルを握る手を外そうとする
ヤダヤダと首を振って何度も叫ぶ
掠れていた声が次第に出せなくなり苦しそうに息を吐く
「アッ…スッ…ん!…やぁ…」
溢れる涙を拭い車を発進させた
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
65 / 103