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「じゃぁ、俺帰るよ」
「うん、またな」
「あっ…なぁアーネスト…お前知ってるんだよな?」
「何が?」
「あの子が…その…」
「混血だって?」
シャルが困り果てた顔をして俺を見つめ頷く
いつもヘラヘラしているような男にそんな顔をさせるルイにちょっとだけ寂しさがこみ上げるしシャルに混血である事を伝えたのに嫉妬する
醜い自分を認めた途端に嫌な気持ちで満たされるのは悲しくなる
「おっおい、そんな顔するなよ。あの子はお前から離れたくなくてどーでもいい俺に相談したんだろ」
「…わかってる、それに混血なのも最初な気づいてた」
「なら、なんか考えがあるんだよな?」
「うん…先ず天界に行ってルイの涙を返してもらおうと思ってる」
ルイが泣けなくても泣けていないのは、涙が出ないからだ
あるはずの涙を奪われているから
天界はルイを生かす代わりに一生分の不幸を溜めるものを与えた
楽を望んでも、それができない
それは、人間の中で育てられたルイにとっては辛い事だ
「じゃぁ、正式に魔界に引き入れるんだな」
「うん」
「…俺も何かしたい、なんでも言ってくれ」
「わかったじゃぁ早速お願いしたいんだけど」
シャルのまっすぐな瞳に悪戯心が垣間見える
「シャル…楽しんでる?」
「当たり前、久しぶりに暴れるんだからな」
「なんで暴れる前提なわけ」
シャルがニッと笑う
昔みたいに
遠い遠い昔
まだ、2人がヴァンパイアだと気づいていなかった頃
その頃を思い出し俺までワクワクしてきた
「じゃぁシャル頼んだよ」
「OK、じゃぁ今度な」
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