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「な…にを…言っている…」
「目障りだから消して欲しいの、私人間に戻る気なんてないのよ」
「昔は戻りたがってたじゃないか!?」
「戻っても知り合いは全員死んでるし…私はまだあの人を愛してるのよ」
それは、悪魔の事か
お前を裏切り、孤独にした悪魔のことを思って頬を染めているのか
「俺には…人を殺せない」
「どうして?私の為よ?」
1度だけ言ったことがある。
『君のためなら誰でも消せる』
若かった俺は、彼女を手に入れたい一心に口走った言葉だった、
勿論、その頃の俺なら殺せるだろうし、今彼女ではなくルイに言われれば容易く殺す事を決意しただろう。
現に、ルイの涙を奪ったアイツを殺す気でいた。
「今の俺は…ルイの為に存在するんだ…だか…ら…人は…殺したくない…」
「…ねぇ、その子は知ってるの?貴方が殺めた人数を」
冷めた目で俺を射抜くアデルの表情は逆光で見えない
俺は何にこんなにも心を乱されているのだ。
どうして、不安など感じているのだろうか。
「あの子は貴方の味方なのかしらね?貴方の本当の姿を知っても…好きだとか愛してるとか…言えるのかしらね?」
「ルイは…」
ルイは、どうだろう
彼は人間の元で育ったのだ
いくら悪魔と天使の混血だろうが、人間の心を持つのだ。
「その神父、時々私の意識に波長を合わせてくるの…私と同じで魔界と波長が会いやすい強い人間よ?でもね、貴方の力なら赤子の手をひねるようなものよ」
アデルは耳元で囁きその姿を消した
「はっ…ルイは俺のものだっ…誰にも渡さないし、手放す気もないっ!!」
誰もいない協会に俺の声が響く。
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