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恋人になりたい 4
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閉店後、小澤くんと一緒に帰ることになった。
「蔵本くん」
しばらく沈黙だった空間に改まった小澤くんの僕の呼ぶ声が響く。
普段、湊くんとか、委員長とかそんな感じで僕を呼んでくるのに。
こうやって改まって呼んでくる彼の次の言葉なんて容易に想像ができた。
思わず怖くなってぎゅっと目をつぶってしまう。
でもずっと沈黙のままで、そっと目を開けるとすごく真剣な顔をして小澤くんが僕を捕らえてる。
「……付き合う準備はできた?」
目が合うのを待ってたんだと何となくわかって付き合うって言葉に僕は過剰に反応して急に顔が熱くなるのを感じた。
目が泳いでるのがわかる。
小澤くんを見ることがすごく恥ずかしくてずっと目を合わせるのが辛くて逸らしてしまう。
「……ごめん」
次に小澤くんから出てきた言葉は、僕の想像もしない言葉で。
ごめんだなんてどうして小澤くんが謝るんだろうと不思議に思う。
曖昧な態度とって付き合うのを待ってもらって何かと理由つけてずっと声かけるのを放置して謝らなきゃいけないのは僕なのに。
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