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恋人になりたい 10
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屋上に来ると、ふわっと生暖かい空気が僕たちの顔を触ってくる。
いろんなことあったけど、もう季節は秋なんだとふと思う。
そんなことをぼーっと考えていると、
先に座っていた小澤くんの僕の呼ぶ声が聞こえた。
はっとして、そそくさと小澤くんのそばに行く。
そばに行くと、
コンクリートの上には広げたハンカチがあって、
それが僕の座る場所なんだとわかった瞬間、顔が赤くなる。
「こ、こんなのいいよ……」
少女マンガじゃないんだし、女の子じゃないしと思いつつも
小澤くんが僕のことを考えてくれて
恋人扱いしてくれたことにうれしくなる。
「だーめ。湊は俺の恋人だからこういう扱いされるんです」
突っ立っている僕の手を強引に下から引っ張ってくる。
「うう……」
仕方なく恥ずかしいなと思いながらも、ハンカチの上に座った。
小澤くんってときどきキザなところ
見せてくるよねと聞こえないようにつぶやいた。
「んー?なんかいった??」
聞こえなくて良かったのか、聞こえてほしかったのか
僕はよくわからないけど、なんとなくぶっきらぼうに
「べつにっ」
とそっぽを向いてしまう。
そんな僕を気にも留めずに小澤君は、
今日は珍しくお弁当だったようで、お弁当箱を広げていた。
「……あれ、今日はお弁当??」
いつも購買のパンとかなのにと思って思わず聞いてしまう。
「……あー、今日は湊と食べたかったから頑張って作った」
恥ずかしそうに笑いながらこっちを向いて言う姿にきゅんとする。
「そ、そっか……」
赤くなる頬を感じながら僕は見られないように下を向いた。
「湊、こっちむいてよ」
そんな僕に小澤君は意地悪で僕の顎を強引に動かす。
「へ、お、おざ…ん…」
いきなりの行動に僕はびっくりしてしまいながら
奪われた唇に頭が追い付かない。
「…湊が悪いんだよ?可愛い顔して俺に見せないから」
長いキスの後、小澤君は惚けた僕にいたずらっぽく笑っていった。
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