アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
蔵本湊 12 (修正済)
-
「せ、積極的!?
む、無理だよっ、無理無理…っ」
顔が一気に赤くなるのがわかる。
「別に厭らしいことじゃないですしっ、
なんかもっと話しかけたりしたりしないと、
関係って進まないものですよ?」
そんな否定しないでくださいと
むすっとしながら後輩は続けた。
その様子をほほえましそうに
ずっと見ていた先輩が今度は口を開く。
「確かに。その人は友達になりたいからしているんだろうしね」
クスッと笑いながら言う先輩にその通りかもしれないと思う。
「でもでもなんか自分からとなると恥ずかしいよ。
話しかけることすら難しいのに」
僕が想像したのはやはり一緒にならんで
登校とか下校するってことだった。
「えっ!?話しかけることすらって
湊先輩、気弱すぎですよ」
そんなことを言う後輩にすねてしまいそうになるが、
その通りなので何も言い返すことはできない。
彼との関係は本当に微妙なんだ。
「仲良くなりたいんでしょう?
ここは勇気を出して一歩、踏み出しましょう?」
ぎゅっと僕の手を握って応援してくれる。
「そうだよね。話さないと
ストーカーもやめてくれないだろうしね」
僕は彼に何を求めているのか、
ちょっと僕自身、わからないけど
彼と仲良くしたいってことは変わらずのまま。
だから僕は後輩の言葉に
しっかりと大きく頷いたのである。
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
17 / 83