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蔵本湊 20 (小澤side) (修正済)
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普段はやらないものをやるといったのは、彼のせいだ。
彼が困った顔をするものだから、
気が付いた時にはそう言っていた。
「お前の理由……っ」
俺をバカにするように笑うのは、勿論近衛信彦である。
昼休み。
俺の行動に驚いたらしい友人は、
詳しく聞きたかったようで
俺をほとんど誰も使わない屋上へと引っ張った。
俺の珍行動の訳を聞いた友人は
先ほどからパタパタと笑いながら俺の背中を叩いてくる。
「これは爆笑もんだぞ。
女に困りのないの悠斗が初恋で、しかも相手は男…っ!?」
いっこうに笑うのをやめない信彦にいらっとした。
だいたいこいつだって部類的にはイケメンに分けられ、
モテるくせにまさかのゲイ。
そっちのほうが笑えるだろと思いながら友人を一括する。
「うるさい」
じゅるじゅるとコーヒー牛乳を飲みながらベンチに腰掛ける。
自分自身で驚いて勢いで立候補してしまったものを
どうしようかと思いながら信彦を見つめる。
「あのさ、信彦がゲイだから話せるけど、
男同士の恋愛ってどんな感じ……?」
それを聞いた信彦は目が点になって、また笑い始めた。
「な、なんで笑うんだよっ!
俺何も変なこと言ってないじゃん」
むーっとしながら信彦を見つめる。
「だってよ、男同士もなにもそこは変わずただの恋愛さ」
それを聞くなんてあれだぞ、あれと
耳に口を寄せられ、ささやかれる。
「恋ってどんなものですかーって幼稚園児並みの質問だって」
まさにお前は幼稚園児の質問をしたって訳さと言いながら離れる。
「……幼稚園児……」
俺の恋愛レベルは幼稚園児なのかと
なんだかちょっと落ち込む気もするが、
やっぱり違うんじゃないかと思ったり。
まぁ、ちょっとずつ自分の気持ちに嘘はつけずにいる。
「まぁ、きっといいことあるさ、
蔵本君と距離が縮まったりするといいな」
応援してるよとポンと俺の肩に乗せると、
応援と評し、話を聞いて悩む俺を笑うつもりだとわかる。
友達なんだからもうちょっと俺のメンタルの部分も
優しく取り扱ってほしいと思いながら
うるせえとそれくらいしか言うことができなかった。
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