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蔵本湊 23 (小澤side) (修正済)
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思いもよらなかった褒め言葉に俺は激しく動揺した。
確かに俺はモテるっていう自覚があったが、
みんなから【かっこいいね】と褒められることは
しばしばで慣れっこなはずなのに、
湊君にそう褒められるのはなんか違う感じがする。
こうなんっていうか満足感と嬉しさが入り混じった感情で
いっぱいになるというか、
なんともいえない心の満ちた感じ。
「そうかな、普通だよ」
少し照れながらも一応否定しておく。
彼の様子を見ると、彼は褒めたことに満足そうにしていた。
そんな甘い空気を交えながら俺たちは、会議室に着く。
会議室につくと、
「あ、湊も一緒なんだ」
【湊】と名前呼びすることから仲がいいことが
なんとなくわかる男が笑顔を交え俺たちに近づいてきた。
「あっ、うんっ!宗助君もそうなんだっ」
湊君も男に気付くと、近づいてきた男に駆け寄り、
嬉しいなぁといいながら相手の手をきゅっと両手で握って
笑顔を見せている。
なんとなく、ムカつく。
「今年も学級委員に選ばれちゃって、
いちいちこういう行事の会議なんて大変だけど、
宗助君となら頑張れそう」
身長からして見上げる形になっているから
きっとあの感じだと上目遣いになっているだろうと
イライラして二人の様子を見つめていた。
ところで、照れたように顔を少し染め、
委員長と鼻の下を伸ばしている男の姿に鈍感な彼は
気付いているだろうか……。
「あ、宗助君。僕の友達を紹介するねっ!小澤悠斗君だよ。
小澤君、僕の親友の江端宗助(えばた そうすけ)君だよ」
黙っている俺を不思議に思ったのか、
ニコッと笑いながら俺にその男を紹介した。
俺はただの友達で、
男は親友と紹介されて少し格差を感じた。
俺は、ただの友達なのかと思いながらその男と見つめ合う。
恐れを知らない挑発してくるようなそんな瞳……、
まるで俺が彼に好意を持っていることなんて
わかりきっていると言いたげな瞳。
「……どうも」
「よろしく」
お互いそんなに多くの言葉を交わさなくても、敵意が生まれる。
どうやらこいつとは仲良くできそうになさそうだ。
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