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小澤悠斗 5 (修正済)
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今日は宗助君が部活だから
一人で下校と思っていたら、
二人に捕まってしまった。
二人と言うのは
「あのさ、話さない?」
僕の幼馴染と、
心配そうに顔を歪めている桐野さんだった。
半ば、強制的に
いつも利用しているカフェに連れて行かれる。
「話ってなに」
注文した珈琲を口にしてから
落ち着いたところで切り出した。
「湊が、江端と付き合ってるって
聞いたから俺ら心配になって」
予想は何となくついてたけれど、
やっぱりそのことか。
「そのことなら大丈夫だよ、
お試しだし、実は終わったら
断るつもりなんだ」
はにかんで安心させるように言うけど、
2人は納得していないみたい。
心配そうな顔は変わらないまま、
「お試しって…」
お試しでもハグとかキスはするでしょと
聞かれてうっとなる。
確かにここ3日、
キスされそうになって
怖くなって
ぎゅっと目をつぶったら
やっぱり本当の恋人に
なってからだよなと言われて
安心した。
僕、最低だ。
宗助君とそういう事をしようと思っても、
怖くてずっと逃げてた。
理由を何かしら作って逃げてた。
宗助君は僕とそういう事、
慣れるためにお試しで付き合っているのに、
全然お試しじゃないよ。
「み、みなと…」
泣き出す僕に燿が戸惑っている。
僕が泣くなんて久しぶりだ。
自慢ではないが、
僕が泣いたことなんて
おじいちゃんがなくなった時ぐらいしかない。
「…ぼくね、ぼくね、ほんと、は……っ」
お試しでも付き合いたくなかったと
小さくつぶやいて
条件反射で立ち上がったのか、
そばに駆け寄ってくる
桐野さんの胸に抱かれる。
よしよしと頭を撫でてくれる
桐野さんの手に
安心しながら
やっぱりちゃんと言おうと思った。
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