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「ようこそ、サナーダ先輩!」
家に着いたら、玄関の戸を大きく開けて、雷市が言う。
学校から一緒に来たけど、雷市は道中 たいそう嬉しそうだった。
そこそこのアパートの、そこそこの部屋。
キッチン、というよりは、台所、があって
リビング、というよりは、居間…てか、
ここが監督の居場所なのかな、野球関係の資料が
所狭しと置いてある。
「こちらへ どうぞ、サナーダ先輩」
隣が雷市の部屋みたいだ。
ベッドは、ない。
布団派は この父子に似つかわしい。…が、
何故、布団が敷いてある? 万年床か?
しかも、敷布団だけ。
大きめのタオルが、畳んで置いてある。
部屋の隅には、お~何だコレ、昔 ウチにもあったような…テレビとビデオが一体になったヤツ!
…地デジ、って知ってるかな、この父子。
ビデオだけ使ってんのかな。……アナログだ……
それから、部屋の真ん中にテーブル…冬になったらコタツになるヤツだな…その上にカゴ一杯のバナナ。雷市らしい。
バナナの横に四角いオシャレな箱がある。チョコレートかな?
どうやら、このテーブルで勉強も するらしい。
「どうぞ。サナーダ先輩」
雷市が飲み物を持ってきてくれる。
冷たい麦茶。水が出てくんじゃねぇか、と思ってたけど、気を遣ってくれてんのかな(じーん)
テーブルに座って一息つく。
雷市と向き合って座る、なんて あまりないな。
目の前の恋人の顔を見つめる。
オレの視線に気づいて雷市が真っ赤になる。
「あのっ、バナナ、どうぞ!」
照れ隠しからか 雷市がバナナを寄越す。
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