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〃 ⑥
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「真田…」
雷蔵が真田の顔を見つめ、声を掛ける。
「信じらんねぇ…」
思わず洩れた雷蔵の言葉に、真田が傷ついたように
眼を伏せる。
「…すんません。オレ、どうかしてます。
監督の…見合いのハナシ聞いて、何だか、もやもやして……」
「あ、いや、真田、あのな…」
雷蔵はどぎまぎして自分の言いたい事も言えない。
(ちくしょう。真田が言葉にしてくれてるってのに
オレは…っ)
「違うんだ、真田、オレも…!」
雷蔵が立ち上がり、真田と向き合う。
「……っ、オレも、お前が好きなんだ…嘘くさいかも知んねぇけど…」
「マジ…?」
真田が目を丸くして聞き返す。
「んな事、何度も言うかよ。
…お前こそ良いのかよ?モテるんだろ?
オレなんか加齢臭とか、スゴいぜ?」
「…モテますけど」
「否定しねぇのな!」
「でも、監督が好きなんで…
加齢臭なんて しませんよ、監督」
真田が雷蔵の首筋に鼻を寄せて嗅ぐ仕草をして
言う。
「いい匂い…大好きです」
はにかむように笑って、雷蔵の顔を見る。
「……っ」
(やばい。イイ男過ぎて 直視するの、つらいっ)
雷蔵は、顔が赤らむのを隠すように横を向く。
「も、もう分かったから、練習に戻れよっ!」
「あはは。監督、照れてます?かわいいっスね!」
「っ、ばかやろっ」
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