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~月神side~“ Both The Best Finale ”
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ライブはあっという間に終盤に差し掛かり、
最後の6曲目を歌いきった。
『今日はありがとう!』
笑顔で手を振りながら裏に戻る。
楽屋に向かっていると月神を呼ぶ声、
つまり会場からアンコールが聞こえてきた。
メイクを直し衣装を着替えて楽屋を出ると、
一室だけネームプレートが外され
明かりがついた部屋が目についた。
俺の楽屋の2つ隣の部屋だ。
…………柊さんの楽屋か?
しかし企画の発案者とはいえ、
カメラマン一個人に部屋を宛がうか?
再びバックステージに戻ってきた。
ステージ裏でスタンバイするとスタッフに
ヘッドセットとイヤモニの最終確認をされた。
場内の明かりが消えてスクリーンに
“Both The Best Finale~最高のフィナーレを共に~”
と、写し出される。
「櫁稀さんお願いします」
「はい!」
1歩ずつ階段を登り大きく深呼吸すると、
スポットライトが照らされた。
『みんなーアンコールありがとう!
今から歌う曲は私が作詞作曲を手がけました
その点も含めて楽しんでね!!』
新曲の発表するとファンから歓声があがる。
『それでは聞いてください“誘惑のワルツ”!!』
ゆったりとした美しいメロディーが流れ出す。
この曲デュエット用に作ったんだけどなぁ……。
話、流れちゃったかぁ…。
ソロ曲用にに作ってないし、どう歌おう?
…………というか、問題はダンスだ。
デュエットのダンスだから一人じゃ不自然よ?
非常事態に一人で軽く混乱していると、
リハでは無かった演出が予告なしに実行される。
場内の明かりが少しずつ絞られていくのだ。
聞いていないのに演出は終わらない。
トラブルなの?
困惑しつつ平静を保っていると―――――
『お待たせ櫁稀』
『ッッ!?』
こ、……声でなくてよかったぁ…。
てか、誰?ユニットの話ながれてなかったの?
スポットライトがその人物を照らし出す。
『ッッ!?もぉー遅いよ!“裕”』
現れた私のユニットの相手はあの転校生、
紺ノ宮 千才こと“ 夜宮 裕 ”だった。
“本人”だけが全く知らず驚きまくってるな。笑笑
『さぁ、参りましょうか』
自然と手をとられ階段をエスコートされる。
ファンから歓声が歓声から悲鳴に変わった。
階段の下まで降りると自然とダンスに入る。
ダンス全く合わせてないからどうなることかと
思ってたけど、息ピッタリ……踊りやすい。
互いにアイコンタクトをとりながら、
時々顔を見合わせて笑顔で踊る。
私もダンスが好きだが、裕君も好きらしい。
デュエットも悪くないね、楽しい。
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